予測が困難な地震に比べ、洪水、内水氾濫、高潮などの水害は、気象庁の降雨量の予測情報により、ある程度対策(避難、浸水対策)は可能となります。この水害に対して、行政、市民、企業体等がいかに行動(共助)し、防災・減災する仕組みをつくるのが「水害に強いまちづくり」と考えます。
突発性の高い地震災害より、発災前にできる共助の施策は水害のほうが多く、防災・減災に資すると考えます。
これを[地区防災計画【水害編】」として地域防災計画へ規定し毎年更新、次世代に引き継いでいくことが肝要であり、この共助の仕組みを【震災編】へと生かして行かれることを望みます。
地区防災計画【水害編】の枠組みに合わせて、【震災編】をあわせて、総合的な地区防災計画策定に進められることを望みます。
都市水害は、下水道等内水氾濫と中小河川の洪水氾濫が輻輳し互いに影響し、その発生形態は様々な降雨要因による時空間分布によります。
また中小河川の計画規模は30~50年超過確率に対して、下水道は5~10年超過確率までと抑えられます。
現在の行政組織では、管理者がそれぞれであり、内水氾濫を含めた水害(内水、洪水、高潮、津波)ハザードマップを提供している自治体は殆どありません。 東京都管理河川(山の手中小河川)については内外水氾濫モデルを開発し浸水想定区域を提供しましたが、東海豪雨(台風性:時間最大114mm)を想定しましたが、いわゆるゲリラ豪雨などの短時間集中豪雨に対しては、より深刻な内水被害が想定されます。また下水道部局と河川部局では、その財源がわかれており、互いに限られた財源の枠のなかに、事業費、職員人件費を賄わなければならないことから、浸水対策事業も別々になります。さらに国、県(河川管理)、市(下水道管理)では財政に圧倒的な差があり、最も重要な地域、地先の災害対策をすすめるには、とても困難な状況であるのが現状です。
河川、下水道は降雨要因によりその水害形態が異なります。現在は河川、下水道においては、洪水調節施設、雨水貯留施設が各々の計画降雨に対して建設されています。河川、下水道の様々な降雨要因、降雨の時空間分布により異なる必要調節量を共用できる調節池を共同溝を設置すれば、柔軟に水害の減災に役立つことは間違いありません。
稠密な都市空間において残された公共空間として公道、河川管理用通路化の共同溝として、河川、下水道のみならず、下水道の合流改善、無電柱化、都市整備などを兼ねての工事とすることで、コストパフォーマンスの優れた減災施設として位置づけられると考えます。
※本案件は実用新案(都市型水害減災共同溝)取得済み(2020.10.30登録)にてご検討の際にはご相談ください。
降雨要因(台風・集中豪雨)による降雨の時空間分布は明らかに異なります。中小河川、下水道の計画はどっちともつかづの合理式で解析されます。それゆえに、降雨要因によりが水道が満杯となり内水氾濫を起こす場合(集中豪雨)、下水道が順調に排水され広域の雨水が集まり河川で氾濫する場合に分かれます。
その両方の降雨に柔軟に対応し、共同溝型貯留槽を双方で融通しあうのが、本考案の主眼です。
国土交通省の進める「100mm/h安心プラン(集中豪雨対策)」や、総合治水対策、特定都市河川浸水被害対策法(河川・下水道の連携)に反映されることを望みます。
大きな企業においては、災害時事業継続計画(Business Continuity Planning)を行うことで、災害時の被害を最小限にとどめ事業が継続していける計画を策定しておられます。また、企業の社会的責任CSR(Corporate Social Responsibility)として社会貢献活動を行い、毎年度のCSR報告書を作成、第三者の評価を加えて、株主に諮り評価によっては株価が上下する制度が浸透しています。
我々は地域に根ざす企業として、防災、災害復旧につきCSRの予算を防災にも振り分けて頂き、企業に限った事業継続のみではなく、企業を含む地域の災害時継続、存続であるDCP(District Continuity Planning)に寄与頂くことを望み、行政、企業、市民一体となる共助社会を創生していきたいと考えております。
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